トップ > ほのママ恥ずかし出産体験記(全7話)
37時間かかっての出産
1分間隔の陣痛がもう何時間も続いています。
陣痛の痛みが引くほんの一瞬、スーッと意識がなくなります。
そしてまた痛みとともに、叫びながら目を覚ます。
夫が看護婦さんに
「気を失っているみたいなんですが、大丈夫でしょうか?」と告げました。
すると「体力も限界にきてるから、痛みが引くと眠ってしまうんでしょう。
でももう少しだからね。」と説明されたそうです。
夫は心配そうにずっと手を握っていてくれました。
日付が変わった午前4時前、プチッと音がして温かい水が流れ出るのがわかりました。
破水です。看護婦さんを呼ぶと急に周りが慌ただしくなりました。
どうやら看護婦さん達は、まだまだかかりそうだと思っていたようです。
もうここからはあっという間にお産が進みます。
「はい、力を抜いてー、まだまだまだ。まだいきんじゃっダメ!!」
「合図をしたらいきんでくださいね」と、先生。
ところが私の頭の中は大パニック。
「まだ」って言ったり、「いきんで」って言ったり。
どうすればいいのかわかりませんでした。
呼吸の仕方、いきむタイミング。体があべこべのことをしてしまいます。
またここでも看護婦さんと先生にしかられてしまいました。
そしていよいよクライマックスを迎えます。
「赤ちゃんででますよ。お母さん!
しっかり目を開けて、赤ちゃんを見て!!」
必死で目を開ると、後ろ頭から肩のあたりが見えました。
「あ、赤ちゃん…。でも声が聞こえない…」
吸飲される音…。
しばらくして小さな小さなかわいらしい声が聞こえました。
その声を聞いた瞬間、愛しさで胸がいっぱいになりました。
おしるしがあってから24時間、入院してから13時間がたっていました。
3220㌘の女の子でした。
看護婦さんがまだ羊水でぬれた赤ちゃんを、そっと胸の上に置いてくれました。
ちっちゃくって、しわしわにふやけてて、そしてとっても、とっても温かかった。
小さな命の温もりがじんわりと伝わってきます。
初めて我が子を胸に抱いたあの瞬間は、一生忘れられません。
立ち会ってくれた夫は、「偉かったね。」とちょっと照れたように微笑んで、
母と子の対面をそっと見守ってくれていました。
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